「紅参について」
  • ●高麗人参には伝承薬としての長い歴史があります。
  • それだけに保存の方法についても、古来さまざまな工夫が重ねられてきています。
  • その長い経験の中で最も優れた保存法として評価が定まっているのが、生の人参をいったん蒸して乾燥し「紅参」にする方法です。
  • この方法で調整加工すると高麗人参の成分が安定し薬効がより生かせることが経験の中でわかっているのです。
  • また最近は農薬などいろいろ問題になっていますが正官庄は医薬品として日本に入ってきています。
  • したがって日本に輸入される前に含有成分や重金属、農薬含有量などに関する厳しい基準をクリアーしないと輸入することはできません。
  • また下記にも説明しておりますように韓国人参公社が栽培から加工製品化までを一貫して管理し品質保証を行っておりますのでどうぞご安心下さい。
 
      (紅参と白参)
韓国では六年という最長の歳月をかけて栽培した六年根を紅参にします。
これに対して蒸すという工程をとらず、そのまま皮をはいで乾燥した白参にするのは主として四年根です。

紅参も白参も医薬品として承認(日本薬局方収載)されていますがこの二つは薬として区別して取り扱われています。
保険診療の薬価では、紅参は白参より一ランク高い価格に定められています。
同じ高麗人参を原料としても紅参は白参より効果の高い薬品として見なされています。
  • ●紅参の開発の歴史は、今から約1000年ほど前の、韓国の高麗の時代まで遡ることが出来ます。
  • 李王朝時代の十六世紀には、大事な輸出品である紅参の信頼を保つ為、国の専売品にする制度が始まっています。
  • 以来韓国では、紅参の製造は一貫して国の管理のもとに行われてきました。
  • 1908年には、「紅参の製造は政府だけがする」と明示された、紅参専売法という法律も公布されています。
  • ですから、当時から紅参は、民間で自由に作れる白参とは違って大変貴重な入手しにくいものでした。今でも韓国の人は紅参を「お上の作ったより高級な人参」として特別扱いにしますが、それは紅参専売の長い歴史が背景にあるからです。
  • 大韓民国政府樹立後も紅参を政府の管理のもとに製造する制度は続き、現在は韓国専売庁の後身である大韓民国煙草人参公社が高麗人参の原産地国の誇りにかけて製造にあたっています。

         (公社管理の紅参畑)
●韓国では紅参を育てる畑と白参を育てる畑ははじめから分けられています。
高麗人参の栽培は、寒冷で降雨量の少ない気候が最適であり、土も「沙質(さしつ)土壌」といってやや黒っぽく砂まじりのザラザラした場所がいいとされています。
そういう条件が満たされた韓国の北部、北緯38度からソウルにかけての一帯に、大韓民国煙草人参公社の管理する紅参畑が広がっています。
白参の畑はそれより南の一帯です。

紅参を栽培する畑は北東向きのゆるやかな水はけのよい斜面が理想です。朝の柔らかい光がさし夕日は当たらない所です。

         (2年根の移植作業)
公社では畑作りの段階から厳しい規格を設けてあり、それに合格しないと紅参を栽培する畑として承認されません。
紅参の栽培が承認されると、これから六年という長期計画で人参を育てる為の補助金が支給されます。
畑に用いる肥料にも厳しい制約があります。
青草をかきこんだ元肥のほか、化学肥料は一切使いません。
必要に応じて腐葉土、鶏糞、油かす、石灰を混ぜた天然の追肥をするだけです。
高麗人参は大自然の土の力を六年かけて吸い尽くします。
ですから一度収穫した後十数年間、同じ畑では高麗人参の栽培ができません。
土の力が回復しないからです。

  • ●韓国の人参栽培には長い伝統がありそのノウハウは知り尽くされています。
  • しかしそれは山の斜面での手作業が中心で並大抵の苦労ではありません。
  • そういう作業が六年間次から次へと続くのです。暑さ、寒さ、雨風、日照にいつも気を配り、畑作り、種まき、植え替え、日覆い作りと天候に合わせたそのこまめな開閉、水分調節、追肥、除草、越冬対策など栽培者の間では人参作りは子育てより大変と言われています。
  • 公社ではそういう作業がきちんと行われているか畑を定期的に見回っています。
  • 高麗人参は毎年、冬を迎える前十月下旬には枯れてしまい土中で根だけが越冬します。
  • 翌春無事に出てきた枝葉は一年一年葉柄(ようへい)の数が増えていきます。四年目は葉柄が四本、六年目は六本となり葉柄の数を見れば栽培年数がわかるのです。
  • 六年経った人参はその年の秋、九月から十月にかけて公社の監督のもとにひげ根一本も折れないように注意深く掘られます。
  • その中から規格に合ったものを選別して公社の工場に送られます。
          ●加工前の生の高麗人参を水参と言います。工場である高麗人参廠(しょう)には豊富な経験と知識を持った紅参作りのベテランが揃っています。
人参を知り尽くした技術者によって、水洗→蒸熟(じょうじゅく)→治尾(ちび・・・細かい根を切り落とす)→乾燥→整形→等級選別という工程で調整されていきます。
紅参の工程で最も特徴があるのは、水参を蒸気で蒸す蒸熟です。
これによって白い水参が褐色の紅参になります。
白参にはこの工程がありません。水参の皮をはぎそのまま乾燥したものが多いようです。高麗人参の有効成分は皮の周辺に最も集まっており皮をはぐとそれが失われる恐れがあります。

      (水洗)

     (蒸熱)

     (乾燥)

      (選別)

●高麗人参には未知の有効成分が含まれています。ニンジンサポニンにはたくさんのタイプがありますがその種類も量もやはり六年根が充実しています。四年根と比べると糖質が少なくなりサポニンが増えています。この差は当然薬効にも反映されます。
高麗人参を輪切りにすると、外側から周皮、皮層、木部の三つの層が並んでいます。このうちサポニンが多いのは周皮と皮層です。白参は周皮の大部分を削りますのでサポニンの量が少なくなってしまいます。
                
  • 最近は日本でも高麗人参の研究が進んでいますが、そういう研究のほとんどは、この正官庄の紅参が用いられています。
  • それは品質に安定性信頼があるからです。
  • またこういう研究を通じて紅参には血圧に対して悪影響がないこともわかっています。
                                 正官庄製品